
「しばくささん」
「なに?しばくささん」
「何かしゃべりなさいよ」
「なによ、急に現れて自分から話しかけといて
そっちがしゃべりなさいよ」
「♪フロイデ!!」
「♪フロイデ!!、、、つられたわ」
「ふ。わかるわ、その感じ。私はあなたで」
「あなたは私だから」
「今年は月ガールのスタイルで登場してみたわ」
「月ガールって、、それだれもわからないと思う」
「そうかしら、なんで?」
「だってモコモコの部屋着のフードかぶってマフラー巻いてるだけじゃない、
だいたい誰もマネしたがらないと思うわ」
「なるほど。時代の先を行き過ぎてるって事ね」
「いや、そういうわけじゃ、、」
「♪フロイデ!!!」
「、、うたってお茶をにごしてるのね」
「わかる?」
「わかるわよ。だって私はあなたで」
「あなたは私だから、、、それにしてもこないだの月食は凄かったわね」
「ええ、あれはコーフンしたわね」
「あの赤い月ね~」
「あの夜はつくづく、ああ、地球って浮いてるんだと思ったわ」
「ね、よく地に足をつけてとか言うけど」
「どんなに地に足をつけたところで」
「私たちって」
『(同時)所詮、宙に浮いてるのよね』
「それがわかっただけでも有意義な夜だったわ」
「そうね、なんか少し気が楽になったって言うか」
「実際からだも軽くなったわね」
「、、そういう単純なことじゃないと思うけど」
「そうね、ここで宇宙関係に詳しい方は、きっと心の中でつっこみを入れてるでしょうね」
「いいわね。つっこみはどんどん入れてほしいわね」
「そうね。どんどんつっこんでほしいわ」
「、、、、、ほんとはイヤなくせに」
「わかる?」
「わかるわよ。私はあなたで」
「あなたは私だから」
「ねえ去年は窓からのきれいな朝陽をみなさまにお見せしたじゃない?
今年はなにかお見せするものはないの?」
「そうね、、まあ、強いて言えば」
『(同時)暖話くん?』

「なんでこれだけ長丁場のライブに付き合ってくださった方々が、
最後の最後にわざわざうちの暖房器具を見せられなきゃいけないのかしらね」
「しかし久しぶりにいい買い物したわ」
「ええ、この微妙なイケてるのかイケてないのかわからないデザインがたまらないわね」
「これはまさに私たちのツボだったわね」
「暖話くんのうたも作ったのよね」
『そう、、えーと、、
(同時)♪ダンダダン ダンダダンダダンダダンダダン だんわくん
ダンダダン ダンダダンダダンダダンダダン 全方位型』
「、、、まだ暖話くんつきあいが浅いから、いまひとつ歌詞も浅いわね」
「歌詞と言えば、第九の歌詞の和訳を読んだらなかなか難解だったわね」
「そう、私たちにはちょっとねー」
「なんかすごい箇所無かった?」
「あったあった、なんだっけ、、”大いなる事に成功して誰かの友となり”」
「”やさしさの伴侶を得た人は歓喜の唄を唱和せよ”」
「”この地上でただひとつ”」
「”魂が自分のものとできない者でも!”」
「”そしてできなかった者は”」
『(同時)この集いから泣きながら立ち去れ!!』
「、、泣きながら立ち去れって、、手厳しいわよね」
「そうよ、キツいわー」
「こんなこと言われたら泣いちゃうわよ、私たち」
「そうよね、それにやっぱり難解よね」
「ええ、自称カリスマ大工のプロフィール並みに難解だわね」
「、、ちょっと、そろそろ夜が明けてるんじゃない?窓の外見せてよ」
「え、ああ、、、明けちゃったかなあ、、」
(サムイ~、、、鳥が鳴いてる、、)
「はあーさむかった」
「月ガールの格好でも寒そうだわね」
「ええ、月ガールスタイルもまだまだ改善の余地があるわ、、、そうだ、
あげたいものがあるの。はい、これ」
「あー、スノードームだ」
「欲しがってたでしょ」
「うれしいわ!ありがとう」
「それ、中のサンタの顔、たまらないでしょ」
「ええ、かわいくなくて」
「そういうの好きよね、私たち」
「ええ、大好き」
「わかるわその感じ」
「そうよ私はあなたで」
『(同時)あなたは私だから』
「、、、、、そろそろ行くわ」
「その方がいいわ」
「♪フロイデ、、、」
「♪フロイデ、、」
「、、、ねえ、第九の歌詞によるとさ、、
万物は自然の乳房から歓喜を飲み、
全ての善人も全ての悪人も薔薇の小道をたどるんですって、、、
私たちも薔薇の小道をたどれるかしら」
「うーん、、、イバラだったりして。それ、やだわ」
「そうね、確かにイバラはいやね。やっぱりオーソドックスな薔薇がいいわね」
「、、、きっとたどれるわよ、だって私はあなたで」
「あなたは私だから」
「、、、ねえしばくささん」
「なに?しばくさん」
「今年もノエルやれて良かったね」
「うん。良かったね」
「♪フロイデ、、」
「♪フロイデ、、、」
「あなたにフロイデ」
「私にフロイデ」
「、、、なんか私たちやっぱりフロイデの使い方が間違ってる気がするわ」
「ええきっと間違ってるわね」
「まあ、いいわ」
「いいわよね」
「しばくささん」
「なに?」
「あなたが好きよ」
「あたしもよ。そしてあなたが嫌いよ」
「あたしもよ」
「でも好きよ」
「だって私はあなたで」
「あなたは私だから」
「ねえ、なんか薔薇の匂いがして来た、、、!」
「ほんと?」
「うん、、」
「浮いてる地球」
「浮いてる地球で、、、、」
「メリークリスマス」
「メリークリスマス」
『(同時)フロイデ!』