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柴草玲(しばくされい) Tango de SA-GE-MA-N.

患部


傷つくべき時に、きちんと傷つくのは大事な事だ。
また、傷つけるべき時に、きちんと傷つけないのは、
やさしさでもなんでもなくて、
ただのエゴであり、
保身であり、相手にとってははた迷惑なのである。

あんたさぁ、あの時、
JRのポスターの前で、
へたにやさしい人のふりして、
ナイフを自分に向けて、
でも実は、ナイフの柄がささくれだらけで、
あたしのみぞおちを削ってたのに気づいてたかい?
気づいてないよな、
そのナルシストぶりじゃ。

あのさ、
刃先でスパッと切ってくれた方が治りは早かったろうに、
未だあの傷、カサブタにさえならず、
膿んでるのよ。

その事に今日あらためて気づいたの。
気づいたからには何とかしたいじゃない?
自分で、患部を切り落とすしか無いのか?
どうやって?

あんたはもう楽しく暮らしてるだろうけどさ、
あたしは必死で方法考えます。

この先、どのくらいかわからないけれど、
まだもう少し生きていく予定なんだから。
by reishibakusa | 2010-05-28 22:36