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柴草玲(しばくされい) Tango de SA-GE-MA-N.

肉のことなど




昨日のイヌラジ帰り、座れない東北新幹線の中で、
東京駅に着いたら鰻を食べよう!とすっかりその気でいたのだが、
ドイツ料理屋の前をたまたま通ったら、
どうしても「アイスバイン」が食べたくなってしまった。



肉のことなど_e0029132_1443691.jpg

(*イメージ)



コラーゲンもたっぷりだし。
でも、これは一人で食べるような料理ではない。
数人で取り分け合って食べるものだと思われる。

しかしどうしてもこの、
肉塊が食べたくなった。

よし、今夜は贅沢しちゃえ!と、
勢い良く店に入り、ドイツビールをたのみ、
「アイスバインください」と店員さんに言う。
店員さん、一瞬引く。

「あの、、あちらのテーブルの(小声で)、あのくらいのサイズなんですけれど、
 かなりボリュームがありますが、、」
「そうですよね、ボリュームありますよね」
「、、、大丈夫でしょうか?」
「食べきれなかったら、テイクアウトできますか?」
「申し訳ありません、今の時期、お持ち帰りはご遠慮頂いているんです、、」
「そっか、、でも、あの、どうしても食べたいんで、、、残しちゃうかもしれないけど、
 頼んでもいいですか?」
「ええ、それはもちろん」
「そしたらお願いします」
「わかりました、お出しするのにお時間15分くらい頂きますけれど、
 他には何かございますか」
「じゃあ、シュニッツェルを」

店員さん、再び引く。

「あ、間違えました、プレッツェルを」
「、、、かしこまりました(安堵)」


そうだ、シュニッツェルは巨大カツレツであった。

ビールを飲みながら、ぼんやりと店内を眺める。
さすが丸の内、わたし以外はみんなお勤め帰りのグループ、
もしくはカップルでにぎわっている。


店員さんが、気を使ってときどき話しかけてくれる。
(いいのに、、放っておいてくださって)

やがて、肉の塊は来た。
もう、がんがん食べる。
そう言えば、朝からろくに食べていなかった。
ひょっとして、全部クリアできるかも。

近くのテーブルの、女ふたり&男ふたりのグループの、
必要以上にかん高い声で女アピールしているショーパンの茶髪が、
ちらちらとこちらを見ている。
(見てもいいよ。おもしろいか?)


ゼラチン質がだんだん内臓にこたえて来た。
だめだ、半分も行けないかもしれない。


「オリンピック観たいからそろそろ」

さっきのグループの男たちが切り上げようとしている。

「えーー!まだいいじゃーん!VTR観ればいいじゃーーん♥」
「いや、やっぱりリアルで観るのがおもしろいから」
「ええー、なんでぇーー♀★」

(あんまり無理に引き止めない方がいいよ、けけ)


ああ、でももうだめだ。
うっすら気持ち悪くなって来た。

「あの、、」

さっきから気を使って話しかけてくれる店員さんだ。

「無理されないでくださいね」
「いや、まだ大丈夫です、、たぶん」


それでも、3/5くらいはがんばった。
さりげなくギブアップして、
平気なそぶりでお勘定を頼む。

店員さんは笑顔で送り出してくれた。

「すっごく美味しかったです!」
と、わたしもぎこちなく笑顔を作ってみた。


ほんとに美味しかったのだ。
でも、やっぱり今後、
アイスバインを一人で注文するのはやめよう、と思った。
by reishibakusa | 2012-08-09 01:51