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柴草玲(しばくされい) Tango de SA-GE-MA-N.

『小さな悪の華(1970/仏)』


『小さな悪の華(1970/仏)』_e0029132_12283712.jpg

昨夜、近所で、ちょっと買い物だけして帰るつもりが、
ついふらりと、映画館に入ってしまった。
レイトショー。
何の予備知識も無く、
ただポスターの写真とタイトルに魅かれて、
なんとなく観ておいた方が良いような気がしたのだが、
やはり観ておいて良かった。

まばらな客席は、みなさんほぼお一人様。
おそらく20代後半〜40代くらいまでの女子と、
あとは、中年〜熟年男子。

エンドロールが流れても、誰も席を立たない。
明るくなった場内に、
こんなに重くやりきれない空気を感じたのは初めてだ。

これまで観た映画の中で、一番怖かったものはどれ?
と聞かれたら、だんとつで、
『乙女の祈り(1994/新・米)』と答えると思うのだけれど、
それは、ラストの10数分が、
単に視覚的にストレートに怖いだけで、
こちらの『小さな悪の華』は、
最初から最後まで、じわじわと容赦無い。
しかも、可愛い。
ほんと、可愛い。

公開当初、本国フランスでは上映禁止、
イギリス、イタリアなどへの輸出も禁止、
でもなぜか、日本では上映されたとの事。

それから調べたら、『乙女の祈り』も『小さな悪の華』も、
同じ実在の事件がモチーフになっているらしい。

ところで、上映前に流れてた、
配給元のどなたかがセレクトしたらしい選曲が、
すごく良いんだよなあ。
全然知らない曲ばかりなんだけれど。

バウスシアターで、今月15日までの上映だそうです。
あ、ホラーじゃないですよ。
むしろ青春映画なんじゃないかしら。
by reishibakusa | 2008-02-06 12:15