2008年 10月 27日
とわこ考
最近、紀文の豆乳を買うと、
もれなく”君島十和子”が付いて来る。
あ、まちがえた、
最近、紀文の豆乳を買うと、
もれなく”美のカリスマ!君島十和子に会える応募券”
が付いて来る。
女性限定のトークショーか何からしいのだが、
これ、”十和子とサシ呑み応募券”だったらおもしろいのに。
十和子とサシ呑み。
十和子とたたみ。
それはどこか、セレブな場所で決行される。
その場所に、
十和子とたたみは二人きりだ。
関係者はいっさい、立ち会い禁止。
場の高級感や、十和子のセレブ感に、
きっとたたみはDM(どぎまぎ)するだろう。
そこで瞬時にして、
十和子>たたみ、という力関係が生まれる。
話題は十和子に任せよう、
きっと十和子はそういう事が得意だから。
たたみは言うのだろう、
「肌きれいですね、毛穴が無いですよね」
「顔小っさいですよね〜」
やはり”美”についての話が中心になるだろう。
十和子は、たたみにいろいろとアドバイスをするに違いない。
たたみは十和子に決して逆らわない。
「そうですね〜」
「あ、なるほど、それがいけなかったんですね」
「それ、ぜったいやってみます、明日からでも」
そして途中で、
「素敵な旦那さんですよね」
と、心にも無い事を言ってみるかもしれない。
シャンパンが程よく身体にまわり、
時間もある程度経過した頃、
たたみは、十和子の何かに気付いてしまうかもしれない。
例えばそれは、哀しみ。
例えばそれは、美に内包された十和子の違和感。
けれど、たたみはそれを決して口には出さない。
それは、やさしさからではない。
面倒だからだ。
やがてお開きとなり、
お互いに礼儀正しく、
「今日は本当に楽しかったです、ぜひまたそのうち」
と、挨拶を交わす。
けれど、おそらく次回は無い。
十和子は、高級車で家族のもとへ帰ってゆく。
たたみは、パスモで地下鉄に乗る。
イベントが終わり、
二人とも心からホッとしている。